ユーミン配信開始記念!初めてのユーミン-前編-

こんにちは。

3年目にして初のブログ投稿となりました、3年の高野です。

2ヶ月後に引退を控え、ブログを書くことも無いまま、スッと身を引くのだろうと思っていたのですが、今回、どうしても書かなければならないニュースが飛び込んできました!

 

koya_yumin1809_main01

 

24日にユーミンこと松任谷由実の楽曲全424曲のサブスクリプションが開始されました。

ユーミンは僕にとって、まさに“メサイア”!!小学5年生の時に彼女の楽曲に衝撃を受けて以来、楽しい時も辛い時も、僕のそばにはいつもユーミンの音楽がありました。

 

恐らく、ユーミンを知らない人はいないでしょう。46年に渡り音楽界のトップを走り続けてきたポップスの女王です。お母さんがよく聴いてる、とか、ジブリの曲ぐらいは知ってる、とか、ベストアルバムはレンタルした、とか。とにかく何らかの形で、あの一本調子で不安定なピッチの歌声を耳にしたことがあるはずです。

 

そんなユーミンがついにサブスク開始です。きっと、音楽好きなあなたは「ちょいと聴いてみようかな。」と思ったはずです。ですが次の瞬間、「で、どれ聴けばいいのよ。」と迷うのです。何せ、オリジナル38作、ベスト盤7作、カバーアルバム1作、シングル41作の計424曲ですから!

 

ということで、ユーミンの曲聴きたいけど、どれ聴けばいいの?と迷っている方のお役に少しでも立てるよう、独断と偏見でオススメのアルバムを厳選しました!!

これから、おためし、初級、中級、上級の4段階に分けて、ユーミンのアルバムを紹介します!

今日は、おためし編、初級編をお送りします。お付き合い下さい。

 

【おためし編】

 

日本の恋と、ユーミンと。(2013年)

日本の恋と、ユーミンと。 [Disc 1]

 

CDが売れなくなった昨今で、ミリオンセラーを記録したオールタイム・ベストアルバム。

「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「ルージュの伝言」「恋人がサンタクロース」「春よ、来い」などなど、99%の人が聴いたことのあるはずの曲が全部網羅されている最強のアルバムです。カバー1曲を含む全46曲収録。ユーミンの曲をちゃんと聴いたことの無い方や、有名な曲ぐらいは抑えておきたい方にオススメです。

サブスクだとわかりにくいですが、CDは3枚組で構成されています。年代順で収録されていないので、どういう目安で収録曲を3グループに分類したかはわかりません。ただ、個人的な印象としては、

Disk1「やさしさに包まれたなら」〜「A HAPPY NEW YEAR」:ヒット曲を多く収録。

Disk2「真珠のピアス」〜「水の影」:派手さはないが、個人的に「ユーミンらしさ」の感じられる楽曲を収録。

Disk3「リフレインが叫んでる」〜「青い影」:そのままセットリストになってもおかしくないライブの定番曲を収録。

と、いった感じです。きっと曲順や分類にもこだわっているはずなので、Disk1、2、3を意識して聴いてみましょう。

 

ユーミンからの、恋のうた。[DISC 1] Pure Eyes

ちなみに今年春には、続編として「ユーミンからの、恋のうた。」が発売されました。こちらはユーミン本人が聞いてもらいたいと思う45曲がセレクトされ、その殆どがアルバム曲という、ファンも驚くマニアックな内容になっています。

 

 

おためし編ということでベストアルバムを紹介しましたが、正直、ファンの私としては、ベストアルバムだけで終わって満足してほしくないのです!

確かに「日本の恋と、ユーミンと。」と「ユーミンからの、恋のうた。」の2枚だけで、91曲も聴くことになるのですから、もうお腹いっぱいだと思います。

 

だけど、残り333曲ありますので!!お疲れ様です…。

 

ユーミンは自他共に認めるアルバムアーティストです。46年のキャリアの中で38枚ものオリジナルアルバムを世に送り出しました。その為コアなファンになると、「好きな曲って何?」ではなく「好きなアルバムって何?」という会話になってしまいます。

話は若干外れましたが、とにかく、ユーミンはオリジナルアルバムを聴いてナンボなのです!ですので、ベストアルバムを聴いてみて割とユーミンに興味を持った方は、さっさとオリジナルアルバムに手を出しましょう!

 

 

【初級編】

オリジナルアルバムを聴こう!とは言っても、38枚もあります。正直なところ、大体傑作なのでどれを聴いていただいても構わないのですが、とりあえず、ユーミンを語る上で抑えておきたいオリジナルアルバム3枚を厳選しました。

 

 

ひこうき雲(1973年)

ひこうき雲

 

邦楽好きの方なら聴いておくべきアルバムってあると思います。はっぴいえんどの「風街ろまん」とか井上陽水の「氷の世界」とか宇多田ヒカルの「First Love」とか。このアルバムもそんな1枚ではないかと思います。

ユーミンの記念すべきデビューアルバム。ジャパニーズポップスの歴史はこのアルバムから始まった、と言っても過言ではありません。ピアノを基調としたサウンドも、セブンスコードの多用も、感情を込めない無機質な歌声も、歌謡曲、演歌、フォークソングが主流である当時の音楽シーンにおいて、全てが斬新でした。バックを飾るのは、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆による伝説のバンド「キャラメル・ママ(後のティン・パン・アレー)」です。

 

M1はタイトルチューン「ひこうき雲」。夭折した旧友を思い、書いたそうです。ユーミン曰く、日本で初めてカノン進行を取り入れた曲だとか。「死」を悲観せず、むしろ「しあわせ」だと捉えた感性は、「死」とは無縁である10代の少女だったから書けた曲だと思うのです。因みに2013年発表の『POP CLASSICO』に収録された「シャンソン」という曲では、逆に「生きる喜び」を歌っています。10代の歌う「死」と、60歳の歌う「生」、比較して聴くと面白いです。

M8は、ユーミンが一番好きだとかいう「雨の街を」です。その歌詞の一節、「夜明けの雨はミルク色」、「夜明けの空はブドウ色」。「白色」、「紫色」ではないんです。あくまでも「ミルク色」「ブドウ色」。抽象的な表現である故に、我々リスナーは「え、どんな色なんだろう?」と、想像力を掻き立ててしまいます。まさに美大出身のユーミンだからできる、粋なはからいなのです。

 

シティ・ポップがリバイバルしている昨今、この機会にぜひ元祖シティ・ポップも聴いてみましょう。45年前の作品とは思えぬほど古びないサウンドに、きっと驚くはずです!

 

個人的にオススメの曲

「曇り空」「雨の街を」「紙ヒコーキ」

 

 

SURF&SNOW(1980年)

SURF & SNOW

 

80年代、大滝詠一(A LONG VACATION、81年)、山下達郎(FOR YOU、82年)、杏里(Heaven Beach、82年)などの多くのシティ・ポップ系アーティストが、夏のリゾートをテーマにしたアルバムを発表しました。ユーミンも彼らに先駆け、リゾートアルバム『SURF&SNOW』を発表。

しかしユーミンは、アルバムのタイトルからもお分かりの通り、「夏」のリゾートにとどまらず、「冬」のリゾートにも注目しました。2つの季節を織り交ぜた斬新なコンセプトであることから、数あるリゾートアルバムの中でも異彩を放つ作品です。

 

特筆すべきは、何たってクリスマスソングの定番「恋人がサンタクロース」が収録されていること。実はシングル曲ではありません。今でこそ、クリスマスは恋人と一夜を共にするのが当たり前(?)のようですが、発表当初は、まだ家族と一緒に過ごすものでした。an・anが初めてクリスマス特集を組んだのが83年ですから、ユーミンの時代を先取る力はファッション雑誌以上だったわけです。

リゾートがテーマということで、陽気でキャッチーな楽曲が多く収録されていますが、ラスト2曲のバラードで泣かせにかかるあたりが、ユーミンのズルいところです。岡田眞澄とのデュエットソング、M9の「恋人と来ないで」は切なくて本当に泣ける(語彙力の無さ)。

 

本作はロングヒットを記録し、発表から7年後には、バブルを代表する邦画『私をスキーに連れてって』の主題歌・挿入歌に、「サーフ天国、スキー天国」と「恋人がサンタクロース」が起用されました。

またユーミンは、本作を体現したかのようなリゾートコンサート「SURF&SNOW」を、夏は逗子マリーナ(83~04年)で、冬は苗場プリンスホテル(81年~)で開催しています。

 

発表当初は、時代を先取りしすぎたせいか、とりわけ売上好調とは言えなかったようですが、今ではユーミンの代表作として知られるようになりました。

 

個人的にオススメの曲

「灼けたアイドル」「サーフ天国、スキー天国」「恋人と来ないで」

 

 

天国のドア(1990年)

天国のドア

 

バブル期のユーミンはまさに「無敵」。若い女性からは「恋愛の教祖」として拝められ、アルバムを出せば忽ちミリオンヒットを記録、名実ともにナンバーワンミュージシャンとして、時代を牽引しました。そんな無双中のユーミンの最高潮と言える作品が、『天国のドア』です。日本人アーティストで初めて「ダブルミリオン」を記録しました!恐らくですが、シングル未収録で売上200万枚を超えたアルバムは、後にも先にも本作だけでしょう。さすがはアルバムアーティストです。本作を皮切りに、所謂CDバブルを迎え、99年まで毎年のように売上最高記録が更新されることになります。

 

バブル期の作品ということで、初っ端のM1「MISS BROADCAST」や、ラップ調のM7「Man In the Moon」はバブリー全開です。「明日からもハイなまま 明日からも波に乗って」って(笑)。当時最高峰のシンセサイザー・シンクラヴィアが奏でる華やかなサウンドも、若干時代を感じてしまいます。しかし全体を通して聴くと、バブル期のような浮かれた曲ばかりではないことに気が付きます。

 

例えば、M2「時はかげろう」や、M4「満月のフォーチュン」は、エスニックな雰囲気が漂う楽曲。「満月のフォーチュン」は本作のフィーチャーソングでライブでも頻繁に歌われます。

 

銀色のエンジェルが

矢を放つ前の

永遠の一瞬が 二人のはじまり

 

上記はサビの歌詞ですが、注目したいのは「永遠の一瞬」という名フレーズです。この「永遠の一瞬」とは、まさにユーミンが歌詞で表現してきたことそのものなのです。ユーミンは、永続的に流れる時間の、ある一瞬の描写を切り取り、それを歌詞にします。うーん、よくわからん(笑)。具体例を挙げるとするなら、ご存知「ルージュの伝言」。この曲は、夫が浮気したので、ママに言いつけに行っちゃうからね!っていう内容なのですが、夫が浮気をしている場面も、ママに報告している場面も、歌詞では描かれてはいません。あくまでも、ママに言いつけに行こうとする、一瞬の描写を歌詞にしているのです!大体のユーミンの楽曲で、この「永遠の一瞬論」が通用します。

 

M6「ホタルと流れ星」やM8「残暑」といった、控え目ながらも荒井姓時代からの変わらぬ王道のバラードもしっかり収録。「残暑」は84年に若手アーティストに提供した楽曲のカバー。日本の夏の情景が思い浮かぶ美しい楽曲です。それにしても、M7「Man In the Moon」からM8「残暑」への流れ、ギャップが激しすぎて好き。

 

アップテンポなポップスのM9「天国のドア」に続き、ラストを飾るのは、壮大なバラード「SAVE OUR SHIP」。永遠に宇宙に漂流してしまうという、なんとも救いようがない曲。だけど決して切ないわけではないのです。

ユーミンはインタビューなんかでよく、「死があるから生が輝く、私の音楽はそういうものよ。」的なことを語っています。

確かに「SAVE OUR SHIP」も、大きく言えば「死」をテーマにした楽曲ですが、切なさのもっと先にある「愛」みたいなものを感じる、そんな楽曲だと思うのです。先述の「ひこうき雲」も、決して「死」を悲観していませんでしたね。

 

バブルの波に乗った(というよりもある意味バブルを作った)ユーミン。前年までは「純愛三部作」と銘打って、バブルにどっぷり浸かったアルバムを送り出していたのですが、本作でバブルと見切りをつけたのか、以後、スピリチュアルやエスニックな世界に入り込むことになります(ミリオンヒット曲「真夏の夜の夢」や「春よ、来い」なんかはその典型的な例です)。

この路線変更は成功だったのか、はたまた失敗だったのかはなんとも言えませんが、少なくとも『天国のドア』は、エスニックな「聖」と、バブルという「俗」を見事に融合させた、メリハリのある名盤だと思います。先ほども言った通り、サウンドの古臭さは否めません。しかし「どうしてそんな発想が湧くんだ!」と思ってしまうぐらい緻密なアレンジが施されいて、夫・松任谷正隆のアレンジャーとしての才能も垣間見ることができます。

 

個人的にオススメの曲

「満月のフォーチュン」「残暑」「SAVE OUR SHIP」

 

 

ということで、ずいぶん長文になってしまいました。余計なことばっかだなあ。ここまで読んでくださった方、いらっしゃいましたら、心から感謝申し上げます。

次回の中級編、上級編は、できるだけたくさんの作品を紹介したいので、レビュー的な感じでコンパクトにまとめます。

 

とにかく、みんなでユーミンを聴こう!!