【Interview】ATRIUM: そのコンセプトや副題に込められた意味とは?

「視線と聴線の交錯」というコンセプトのもと企画されたAtrium[4]。さらに「manakai-kikimimi」というサブタイトルが付せられているが、これら馴染みのない言葉にはどんな意味、思いが込められているのだろうか。本イベントの共同主催者であり、コンセプト設計やブッキングなどイベント作りを主に担ったナツノムジナにインタビューを行った。



―さっそくですが、コンセプト“視線と聴線の交錯”を思いついた経緯について教えて頂きたいです。

窪田:2016年は4回の企画を打ったんですけど、2017年は一回一回ちゃんとコンセプト――「その場で何が起こるのか」みたいな仕掛けを用意していこうというふうに思っていて…それで、なんで視線と聴線が出てきたんだっけ(笑)。
仲松:2016年はそこまで企画の内容を詰め切れなかった部分は無きにしも非ず……と感じたので、実際何をやるか?という事を話し合う内に、一回サポートを入れるという形も面白いんじゃないかっていうアイデアが基軸に出てきました。


―毎回の企画でサポートを入れるとか、何かしら特別な要素を入れてどうなるのかをみてみたい、という?

仲松:例えば1回目の企画(『Pale:Ship』(HP参照))だったら、東京出てきて知り合った、かっこいいと思うバンドを集めたっていう、すごいシンプルな内容で。かつ微妙に全バンドがジャンルとしては異なるベクトルを持っていて、でも根底では繋がる部分があるという企画だったかな。
2回目(『Pale:Mirror』(HP参照))は、ほんとにこのスリーマンやべえ……という感じで(笑)。
窪田:尊敬する大先輩(toddle、テニスコーツ)に、空手の稽古を付けて頂く的な……(笑)。

―3回目は同世代でしたもんね。で、4回目(『Pale:Antenna』(HP参照))はSuiseiNoboAzとか。

仲松:3回目(『Pale:park』(HP参照))は「艀/凪」というカセットのリリースパーティーも含めて、ということにフォーカスした一種のお祭りだったんですけど、もうちょっと企画の売り、「この日はヤバい事になりそうだ」ってのをやっていきたいねという話になって、その中で面白いと思ったのがサポートを入れるというアイデアで、今に至るという。

―先にどうするかの手段があって、そのあとにコンセプトが追い付いてきたみたいな。

窪田:そうですね。実際それをやったときに何が起こるだろうか?っていう事に対する抽象的な回答が“視線と聴線の交錯”っていうことだったという。まぁ、手法とコンセプトって常に鶏が先か卵が先か、という関係ですよね。


―なるほど。“視線と聴線の交錯“ってけっこう抽象的な言葉だと思うんですけど。具体的にそれを言葉にすると、だれとだれの交錯だったり、どういう状況での交錯だったり。

仲松:まず、サポートを入れることによりある意味固定化されたメンバー内での状況、演奏の感覚が切り替わる、っていう話がひとつあるよね。異なる「視線」を持つ人が一人入る事によって、普段とは異なるステージ上の「視線」のやり取りによって演奏が形作られるかも知れない。
粟国:普段と違う異化された演奏だから、バンドと観てくれる側の「視線」と「聴線」のやり取りも、より意識的に、注意深くなるっていうのがあったり。
窪田:あとは、今回のイベントが春という時期の開催で、しかもフリーライブ。初めてライブに来る人も、ほとんど出演バンドを知らない人も来るかもしれない。そういう、新しい人と出会う、新しい音楽と出会うという状況で、何か複雑なものが生まれるんじゃないかっていう期待。
そもそも、わざわざ“視線と聴線の交錯”って今回のライブでは言っているけど、逆接的に言えば、それは常日頃からあらゆる場所で起こっていることなんですよね。それをあえて普段とは違うことをやることによって、再認識して欲しいというか。
―より強く意識する。
窪田:そうですね。


―次はサブタイトルmanakai-kikimimiについてお聞きします。一見するとローマ字にしたこともあり、余計わかりにくくなってはいるんですけど、どういった経緯で、なぜこの語を選んだのでしょうか。

仲松:「視線/聴覚が交わる」みたいな言葉を探そうとなって、いろいろ探したんですけど……英語にすると直接的すぎるし、日本語の“視線”とかにすると、なんとなく一方的なニュアンスなんですよね。
窪田:目線が集まる領域っていうか、目線そのものじゃなくて、目線と目線の「間」にできる空間っていうか。同じように、耳と耳の間にできる空間。そういう広がりを持った言葉がほしいと思って、ワセレコの人たちと一緒に話した結果出てきたのが、「目交い」と「聞き耳」という、それぞれ視覚と聴覚に関連して、かつ、相互関係が見えるっていう二つの語だったんです。
仲松:「聞き耳」はともかく「目交い」はかなりマイナーな単語だから、分かりづらい言葉なんですけど……(笑)。色々探した結果、やっぱりこれが一番合っているなって。
全員:うん。
―でもあえて使ってということで。

ま-な-かい【眼間・目交】
・・・(「目(ま)の交(かい)」の意)目と目との間。眼の前。まのあたり。万葉集(5)「ーにもとなかかりて安眠(やすい)し寝(な)さぬ」 (岩波書店『広辞苑 第6版』より引用)


―なるほど、じゃあ最後の質問ですが、お客さんにどう見てほしいですか?どういう楽しみ方をしてほしいかなっていう。

粟國:うーん、難しいですね・・・
窪田:初めて見に来る人も多いだろうからな….うーん…..ちょっとハムサンドで質問に答えるテンポが崩れるんだよな。



一同:(笑)
仲松:一回、出るバンドを他で見ている人が見に来たら、それはそれで普段見れない演奏を見れるって事で絶対おもしろいだろうし、初見のお客さんがどう印象を受けるのかっていうのは逆に聞きたいです(笑)。
窪田:実際何が起こるのか分からないし、むしろそこの「分からなさ」を楽しんで欲しい(笑)。多分今回、こういう形でライブを、しかもフリーでやるっていうことはなかなか無いと思うんですよね。ライブって、バンドからお客さん側への一方通行……バンドが煽って、お客さんはイェーって感じ?(笑)……のイメージで見られてる事が多いと思うんだけど、実際はもっとミクロな領域で、複雑なことが起こっているんですよね。ステージの上でも常にあらゆる“目交ひ”が飛び交っているし、客席の側でも起こっているし、そういう、言語化のし難い「何か」が立ち上がってくれれば、面白いかなと思います。
―なるほど。奈良さんは何か当日楽しみなことはありますか。
久富:うーん……チェルシーホテルでしたっけ。初めて行くので……それが楽しみです(笑)。
一同:(笑)



イベント詳細
Atrium[4]manakai-kikimimi
渋谷チェルシーホテル
open 18:00/start 18:30
ticket:Free (要予約)
出演:ナツノムジナ、South Penguin、シーツ、butaji、メトロノリ(+各アクト サポートミュージシャン)


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