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ぶっちゃK-HIPHOP

(0)プロローグ

 

WASEDA MUSIC RECORDSになぜか韓国から来たヒップホップオタクの新入生が入ってきました。今これを書いている筆者自身のことです。はじめまして。ニホンゴメッチャムズカシイデス。

せっかく大学生になったんだし、今年からはもう少し生産的なオタク生活を送ろうと思っていたところ、日本でもヒップホップが今すごくブームだと聞いて、それならこの機会に、浅い知識だけど、自分が知っている韓国ヒップホップシーンを紹介することで、もっとシーンが盛り上がらないかな?と思って……、いやぶっちゃけ別にブームになってなくても普通にオタク力発散のために、この企画(?)を考えました。

「企画」とかなんかすごいこと言ってましたが、ただただ自分が好きな韓国のラップミュージックをいろいろなカテゴリーでくくって紹介するだけです。ぶっちゃけ、自分もまだヒップホップをちゃんと聞いたのは短いですし、専門知識とかも浅いです。たぶん日本語もところどころおかしいです。客観的ではないかもしれません。しかし、自分なりに熱情をもって真剣に書いているので、ぜひたくさんの方に読んでもらって、ぼくの嗜好をみんなに強要できたらなあ(??)と思っています。

このシリーズを通じて、両国のヒップホップシーンの交流が深まれれば、という遠大な目標を夢見ています。どうか、よろしくお願いします。

 

 

(1)2018年上半期韓国ヒップホップ注目のトラック30

 

2018年ももう半分が立ちました。今年、韓国ヒップホップシーンでは、やたらと注目されるアルバムがたくさん出ました。秀作は多かったものの、多作な分クォリティー的に残念なものも多かったり(まあ、いつものことですが)、これといった傑作がほとんど出なかったのも事実です。まあ、ああだこうだ言っても、意外と富作だった半年でしょう。

それで、初めから急に韓国ヒップホップの自分なりの決算を行おうと思います。「なんとなく韓国のラップを聞きたいけど、何から聞こう?」と思う人のために(というのは理屈で、ただただ自分が一度やってみたくて)、今年出た注目の曲を30曲くらいに絞ってまとめてみました。

ここにあげて順位を付けた基準は、「完成度」と「重要度」と「波及力」を程よく考慮するように見せて、実のところは、自分勝手に順番遊びしたかっただけだという……非常に残念な基準です(笑)(いや、笑うな、俺!)。

とにかく、もうやってしまった決算、始めます!

 

⚠アーティスト名はできるだけ英語表記にしますが、名前が純粋なハングルの場合はもとの名前も記します。

⚠曲名の場合は原題を書いて、韓国語だった場合、括弧で英訳をつけることを原則とします。

⚠できるだけ公式の英訳を使おうと頑張りますが、それがない場合、筆者自身で訳します。その場合は英訳題名の前に「*」印をつけます。歌詞の場合ははほぼすべて筆者の訳なので印はつけません。

 

 

 

  1. Coa white – hai domo ai chann toe akari chann!

Produced by Coa white

 

 

Lil Pumpが踊りそうなビートの上に、なぜかキズナアイちゃんがラップをしている衝撃は、ヒップホップシーンで小さい波乱を起こしました。とあるラッパーはリプライで「科学がすべてのフィメールラッパーに勝った」とつぶやいたり。いや、確かにアイちゃんはスーパーAIだけど、ボカロじゃないんだぞ。そこがすごいんだぞ。ちなみに、筆者自身もすごく驚いて、どうやって作ったのかDMまでして聞いてみましたが、帰ってきた返事は「企業秘密です」と(汗)。

 

 

 

  1. OHIORABBIT – 적 (RED) (Feat. KHUNDIPANDA)

Produced by Coa white

フューチャーベースを基盤にしたビートの上で、juiceoveralcholクルーの二人のラッパーが「お金」について語ります。「なんで金はいつも敵みたいなんだ?」という質問をして、自分の家族のことをちらっと見せながら(「父の投資は2年で3億(ウォン)を作ったさ/今のラインでswagを感じたお前らは永遠に僕の敵みたいさ」)、むやみなswagを批判するOHIORABBITの歌詞は特に素晴らしいです。スーパールーキーのKHUNDI PANDAの短いverseも核心を貫きます。韓国語がわからない方には難しいかもしれませんが、二人とも素晴らしいラッピングの所有者なので、ラップを聴く味も十分です。

 

 

  1. 한국사람(*KOREAN) – 거위의모험(*The Adventure of the Goose)

Produced by jayhmez

 

「韓国人」というラッパーネームからただものではないことが感じられるこの人の音楽を聴くと、アマチュアが低価格のマイクで録音したみたいな曲が流れます。ラップもすごく素人ぽくて、むしろ奇怪です。しかし、その曲の中にこもった負け犬の感情を、何のフィルターもなくそのまま伝えます。1節では、平凡に生きたいという夢を語って、2節では何もできない現実を語る、一見単純な構造でできているこの曲は、聴いていると泣ける何かが伝わります。ひねくれた否定的感情だけを極限にあげて、補正もなく歌うことで、常に競争を求められる韓国の青春の実像を生で見せたかったのでしょうか。ミックステープ『엠창인생(Rape Life / *糞人生)』の最大名曲。ミュージックビデオと一緒に見ることをお勧めします。

 

 

 

  1. Coogie – 스즈란(SUZURAN) (Feat. Kid Milli, nafla, LOCO)

Produced by Dakshood

https://itunes.apple.com/jp/album/suzuran-feat-kid-milli-nafla-loco/1386625489?i=1386625496

 

ベテランラッパーBill Staxの支援でどんどん知られている新人ラッパーCoogieのセルフタイトルEP《Coogie》に収録された一番の人気曲。フィーチャーリングメンバーもみなラップスキル満載のヤングなラッパーたちで、ラップを聴く面白さは満タンです。Coogieはこのアルバムでヒップホップリスナーに実力を認められるようになりました。普段はポップナンバーで知られているLOCOの活躍も見どころ。

 

 

 

 

  1. Sway D – Color Gang (Feat. Young Thugs Club, Woodie Gochild)

Produced by Sway D

https://itunes.apple.com/jp/album/color-gang-feat-young-thugs-club-woodie-gochild/1380650478?i=1380650482

 

HI-LITE RECORDSのラッパー及びプロデューサーのSway Dがついに出したデビューEPは、さわやかで楽しいサウンドのトラップナンバーが印象的でした。特に、「白黒でつまらない世界を僕らが色づけるぞ!」という単純なコンセプトの下で歌われるverseはみんなそこそこうまいシンイングラップと、どこか抜けたような歌詞がすばらしく調和します。YouTubeのミュージックビデオは、なぜか日本語の字幕も支援しますので、気になる方は是非一度どうぞ。ミュージックビデオと一緒に聴くとすごく面白いです。

 

 

 

 

  1. Uneducated Kid – Amazing (Feat. Jvcki Wai, Paul Blanco)

 Produced by Ian Purp

 

まぬけで危なっかしい歌詞と、それとは真逆な雰囲気のさわやかすぎるシンイングで急浮上している新人ラッパー、Uneducated Kidの話題曲。新鋭Jvcki WaiとPaul Blancoが参加したことと、「僕は粉を売って、名前変える〈薬局〉」というサビを楽しく歌っているカルト性、そしてそのカルト性をグンと高める「指名手配」アルバムアートは、この曲を話題にさせるのに十分だったと思います。

 

 

24. Basick – SM58 (Feat. JUSTHIS)

Produced by Panda Gomm

https://itunes.apple.com/jp/album/sm58-feat-justhis/1332959173?i=1332959174

Basickの多事多難なキャリアは、意外と今年、やっと光っているのかもしれません。期待されるルーキーから、期待以下のアルバムキャリアと、ラップオーディション番組《Show Me The Money 4》で優勝したが、その後のいい成果が出なかった彼にとって、夢の始まりであり、唯一の武器であった、マイクロフォンを素材にして出した、アルバム《Foundation vol. 4》のリードシングル〈SM58〉は、いつの間にかベテランになったBasickと、ヒップホップシーンを恐ろしいキャリアで支配していく新鋭JUSTHISのコラボだけでも話題になった曲です。復古的なラップの野望を感じたいリスナーにお勧め。

 

 

 

  1. VINXEN – 그대들은어떤기분이신가요(How Do You Feel) (Feat. 우원재(Woo Won Jae))

Produced by Punch Sound

https://itunes.apple.com/jp/album/how-do-you-feel-feat-woo-won-jae/1395844683?i=1395845375

TV番組『高校ラッパー』シーズン2のスター、VINXENが放送で発表し、フィーチャーリングをつけて正式に発売したシングルです。(以後、彼のデビューEPにも収録されます。)学校の外にいて、世間から「問題児」と呼ばれる高校生の憂鬱な心をうつして、大人の世界に問いをぶつける正直な歌詞が印象的です。発表されたとき、大衆の間ですごく話題になった曲です。

 

 

 

  1. E SENS – Real Thing (Demo)

 Unknown Producer

 

いまやもうレジェンドで、「リアル」なラッパーの標本であるE SENSの公開曲です。彼にとっては珍しく慰めのある曲です。韓国ヒップホップを代表するMCの曲であって、どんなバイブの曲でも彼の色が濃く染みていますので、関心のある方は是非一度聞いてみてください。

 

 

21. Dakshood – Money Man (Feat. Ja Mezz, Hash Swan, Bill Stax)

 Produced by Dakshood

https://itunes.apple.com/jp/album/money-man-feat-ja-mezz-hash-swan-bill-stax/1335536241?i=1335536249 

 

プロデューサーDakshoodは古典的なサンプリング技法でトレンディーなトラップナンバーまでも作ってしまう、非常に優れたプロデューサーです。そんな彼の堅固なプロダクションに、よく協業しあうラッパーJa Mezzの中毒的なサビ、Hash Swanの独特なトーンと自由に流れるフロー、ベテランラッパーBill Stax(旧VASCO)のトラップフローなどが合わさって、素晴らしい完成度のMoney Swagを作り上げました。

 

 

  1. Han Yo Han – 범퍼카(Bumper Car) (Feat. NO:EL, Young B)

Produced by Han Yo Han

https://itunes.apple.com/jp/album/bumper-car-feat-noel-young-b/1341593798?i=1341594041 

ギターリストが急にラップをしだして注目されたハン・ヨハン。ハイテンションなロックサウンドとハン・ヨハンのすがすがしいシャウトなど、ヒップホップとロックを音楽的センスで程よく融合させているアーティストです。軽く、楽しく聞ける歌で、ハリウッドのB級ヒーローものに似合いそうです。ただ、サビで「カミカゼ」という戦争犯罪の用語をむやみに使ったことで相当の批判も受けています。

 

 

  1. Jay Park – SOJU (Feat. 2 Chainz)

Produced by WOOGIE

https://itunes.apple.com/jp/album/soju-feat-2-chainz/1389713521?i=1389715730 

2017年のヒップホップ界のビッグニュースの一つは、アイドル出身で、今やすっかりヒップホップ・R&Bの公式働き者、パク・ジェボム(Jay Park)が、Jay-Zが頭にいるROC NATIONレーベルとアーティスト契約をしたことでした。Jay Parkの実質的な海外活動を知らせる嚆矢的な曲です。「焼酎」の主題で、アメリカの有名ラッパー2 Chainzとラップしあうことも面白いです。自分的には完成度がそんなにいいとは思いませんが、今まで出たアルバムのクォリティーがすごかったので、7月にROC NATIONから出るEP、期待しています。

 

 

  1. Cosmic Boy – 동서남북(EWSN) (Feat. Choilb, OLNL, Kid Milli, Giriboy, Han Yo Han)

Produced by Cosmic Boy

https://itunes.apple.com/jp/album/ewsn-feat-choilb-olnl-kid-milli-giriboy-han-yo-han/1374802685?i=1374803086 

 (Live映像)

Giriboyが発足した『WYBH』クルー所属のプロデューサーCosmic Boyは、同じくWYBH所属のGiriboyやOLNL、Kid Milliなどの曲をプロデュースすることで、静かに浮上しているフューチャーベース基盤のヒップホッププロデューサーです。彼がついにソロのプロデュースEPを出して、その中でも、WYBHの名の知れたプレイヤーたちが多量参加したこの曲はリスナーたちの間で話題になりました。

 

 

 

  1. 이수호(Lee Soo Ho) – Ambush (Feat. Kim Ximya)

 Produced by 이수호(Lee Soo Ho)

 

https://itunes.apple.com/jp/album/ambush-feat-%EA%B9%80%EC%8B%AC%EC%95%BC/1406241827?i=1406241843 (アルバム収録)

何の情報も知られていない、本当に何の前触れもなく突然出てきたプロデューサーのリ・スホ。サウンドクラウドに唯一に上がってるこの曲は、アバンギャルドヒップホップグループ《XXX》のスーパールーキーラッパー、Kim Ximyaのフィーチャーリングで知られ、その前衛的なビートで話題になりました。Kid Milliの〈AI〉と〈WHY DO FUCKBOIS HANG OUT ON THE NET〉をプロデュースしたということしか知られていない、いまだにヴェールの中に包まれているこのプロデューサーは、この一曲だけで十分に注目されるべきだと思います。ちなみに、7月3日に彼のデビューアルバムが発売されました。要チェック。

 

 

 

  1. Indigo Music – Hyperreal

 Produced by Xindoel

https://itunes.apple.com/jp/album/hyperreal/1338676454?i=1338676725 

Indigo MusicのJvcki WaiとKid Milli、Swingsが参加したレーベル団体曲は、女性ラッパーJvcki Waiの入団曲のようなものです。サウンドクラウドを中心に浮上していた新鋭のJvcki Waiが、本格的にメジャーレーベルで働き始めることを知らせる予告編を見ているようです。

 

 

 

  1. Kid Milli – daddy

Produced by NK Music

https://itunes.apple.com/jp/album/daddy/1382602093?i=1382602095 

Indigo Musicに入って一年足りずでトレンドセッターになった新鋭Kid Milliが、正式フルアルバムが出て2か月もたたないうちに発表したEP《IMNOTSPECIAL》の収録曲です。衝撃的な家の事情を、父に話しかける形式で淡々と語った曲は、クールでオタクというキャラクターしか知らないリスナーたちにショックを与えました。実話基盤のストーリーテーリング曲の中で今年一番インパクトのあった曲だと思います。

 

14. Balming Tiger – I’m Sick

Produced by No Identity

https://itunes.apple.com/jp/album/im-sick/1403697724?i=1403698243 

 

Keith Apeのヒット曲〈It G Ma〉をギターでカバーした映像で話題になったラップ・ボーカルのByung Unをフロントマンとして集まったクルー、Balming Tigerの話題曲の初シングル。インターネット放送のお約束のふざけをパロディしながら死に物狂いで有名になりたい気持ちを表す、面白くて同時に衝撃的なビデオは、本当に彼らの名をどんどん広く知らせています。リストの中で一番面白いミュージックビデオなので、ぜひチェックを。

 

 

  1. Simon Dominic – 정진철(Jung Jin Chul)

Produced by Dihcro

https://itunes.apple.com/jp/album/jung-jin-chul/1399496248?i=1399496900 

Simon Dominicは大衆的に有名なラッパーですが、長い間ソロアルバムがないとのことで、批判を超えて、もはや一つの笑いネタとして遊ばされました。そんな中、突然出たこのアルバムには、今までのポップ性を見せたスタイルとは真逆の、暗い自伝的ストーリーが詰まったEPでした。特に、失踪した叔父のことを題材にしたこの曲は発表直後すごい反響を呼びました。個人的に彼独特の華麗なフローが全くないことが残念ですが、その影響自体で上半期の注目すべきトラックとして載せました。ちなみにこの後、叔父に実際再開したともいうので、めでたしめでたし。

 

 

  1. TakeOne – 개화(Bloom)

Produced by Pleyn, Dakshood

(未発売曲で、MIC SWG BOOTHというコンテンツで行ったライブヴァージョンで初公開された。)

https://itunes.apple.com/jp/album/bloom/1410677913?i=1410678105 (7/11正式リリーズ)

TakeOneの2016年末日に(本名キム・テギュン名義で出した)アルバム《녹색이념(Green Ideology)》は、韓国ヒップホップシーンに久々の密度の高い叙事のある自伝的なアルバムが出たことで好評を受けました。そして今年、プロデューサーNUOLが企画・進行したコンテンツ《MIC SWG BOOTH》で発表した未公開曲は、暖かいサウンドと歌詞が印象的で、次のアルバムを期待させました。『開花』という曲名は、駅の名前でもあって、「花を咲かす」というそのままの意味も持った二重の仕掛けです。「一人の女性について話したい。顔だけでなく心が一番きれいな、あなたのような女をまた会えるのなら、僕ももう一度息子として生まれたい」というverse始まりのラインは、反転もあるし、何より美しくないですか。歌詞がわからなくても、音楽自体が美しいですので、積極お勧めします。(ちなみに、映像では2曲を歌いますが、一曲目がこの曲で、二曲目は《녹색이념(Green Ideology)》の収録曲〈제자리(*Right Place)〉です。この曲も家族に捧げる曲で、アルバムのエピローグ部分を担当する、美しい曲です。)

⊛正式リリーズは7月ですが、未公開時の反応が強かったため、上半期の曲として紹介します。

 

 

  1. XXX – 뭐어쩔까그럼(What You Want)

Produced by FRNK

https://itunes.apple.com/jp/album/what-you-want/1344722811?i=1344723109

ラッパーKim Ximyaと、プロデューサー及びDJであるFRNKの二人で結成したアヴァンギャルド・ヒップホップグループ《XXX》は、FRNKのエレクトリックビートを基盤にした独特で前衛的なビートと、Kim Ximyaの計算的かつ攻撃的なラップで認知度を上げていっている、次世代ヒップホップの期待主です。最近、歌詞が厭世的になりつつあるKim Ximyaの刃を隠したラップと、FRNKのセンスが生き生きしているプロデュースの調和は今回も失望させません。「金の話はもうやめろ。I just wanna talk art. 芸術は人間、人間は欲望、欲望は金…Wait, hold up!」と続くパートの歌詞は、自己矛盾を表しつつシーンを批判することですごく印象的です。今じゃ、彼らが予告したファーストフルアルバムを楽しみに待っているのみです。早く出してくれないかなあ。

 

 

  1. KHUNDI PANDA – 실로(Silo / *Lost Way)

 On Gabriel Garzon Montano – The Game

 

「お前より勝るのは音楽しかないけど、俺らの目標が幸せならば、俺は何歩か遅れたさ」

有名でない一人の青年ラッパーが、リアルな音楽が金によって揺れてしまうことを淡々と話します。いい音楽と有名性の間で、自分自身の価値観まで否定してしまう自己矛盾な心理を、少しダンサーブルなビートの上で語るとき、聴者である僕は一人の青春として共感しました。淡々と語る話には、大衆音楽に向けてのとげが生えていて、聴くたびにすごく痛く感じます。韓国語がわからなくても、そのラップもすごいので、興味のある方はこれの入ったミックステープを(しかも無料ですので)ぜひ確かめてみてください。次世代の伝説になるだろうと自信をもって断言します。

 

 

  1. 오르내림(OLNL) – 유학생(Foreign Student)

Produced by Charming Lips

https://itunes.apple.com/jp/album/foreign-student/1340784445?i=1340784477

 

OLNLは独特な低い声と、また独特な高音を自由自在に使い、少年っぽい歌詞を歌いながら、独創的で同時に大衆的な音楽をする人です。彼のほぼボーカルに近いシンイングラップで、独りぼっちだった過去を、だれとも話の通じない「留学生」と比喩して歌います。《All Available》アルバムのリードシングルです。

 

 

 

  1. HI-LITE RECORDS – Break Bread

Produced by BIG BANANA,UGP

https://itunes.apple.com/jp/album/break-bread/1341582496?i=1341582505

 

Paloaltoが社長を務めるハイライトレコーズは2016-17年にかけてB-FreeやKeith Ape、Okasianなどのコアなメンバーが脱退してリスナーたちはここが再起できるのか不安になりました。それが杞憂であったと証明した、ハイライトレコーズの団体曲です。〈2期〉と言えるくらい新しくなったメンバーたちがラップする野望は、彼らの次のステップに希望を持たせました。Reddyのヴァースでハイライトのメンバー全員をシャウトアウトした部分も話題になりました。

 

7.Ja Mezz – 錬金術(Feat. Dok2, MINO)

Produced by Bangroz

https://itunes.apple.com/jp/album/alchemy-feat-dok2-mino/1359648939?i=1359648940

『鋼の錬金術師』をオマージュしたコンセプトのこの曲はJa Mezzというラッパーをもっと興味深くさせました。韓国のMoney Swagの開拓者であるDok2と、アイドルの枠を超えたパフォーマンスを見せるアイドルグループWINNERのラッパーMINOとの相性もよく、何よりどこか日本らしいソースを混ぜて黒魔術のようなムードを作るビートが一番貢献したのでしょう。この曲のミュージックビデオもモーションキャプチャーや魔術的なイメージなどがきらめく良作なので、ぜひチェックを。『鋼の錬金術師』のおかげか、日本語字幕が映像に直接貼り込まれています。

 

 

 

  1. NUOL – Finder (Feat. NO:EL, Hash Swan, Huckleberry P)

Produced by NUOL

https://itunes.apple.com/jp/album/finder-feat-no-el-%EC%9E%A5%EC%9A%A9%EC%A4%80-hash-swan-huckleberry-p/1397272149?i=1397272824

ベテランプロデューサーNUOLが3月末に出したアルバムは、多数の曲を1トラックに収めたことで話題になりました。その中で、NO:ELとHash Swan、Huckleberry Pがラップした部分は特に人気が得て、のちにトラックを分けて出したデラックスヴァージョンでも代表曲になりました。2000年生まれの新鋭NO:ELと、シーンでどんどん名を広めているHash Swan、そしてアンダーグラウンドの守護者とうたわれるHuckleberry Pが集まって起こすエネルギーがあなたを魅惑するに間違いありません(ドヤ)。

 

 

  1. JUSTHIS – THISISJUSTHIS / Don Mills – 랩저능아(*Rap Dumb)

Produced by JUSTHIS / Unknown Producer

THISISJUSTHIS https://itunes.apple.com/jp/album/thisisjusthis/1367869036?i=1367869038 

Rap Dumb

 

上半期の韓国ヒップホップシーンの最大イッシューと言えば、JUSTHISとDeepflowのビーフでした。話すと長いので(笑)簡単に言うと、アンダーグラウンド象徴であったDeepflowの変質をJUSTHISが批判し、Deepflowと彼が代表として務めるレーベルVMCのアーティストたちが対抗して起こったビーフです。その中、JUSTHISが発表した9分のディス曲はリスナーたちに熱い反応と論争を起こした。JUSTHISのリミッターが解除された怒り満タンのスキルフルなラップを聴けます。

一方、THISISJUSTHISが発表する前、VMCのラッパーDon Millsが発表したディス曲もカルト的な人気を得ました。JUSTHISの以前のディスヴァースで「ラップ低能児」一言で攻撃されたDon Millsは、その攻撃自体を逆に武器として、にぎやかなトラップに「ラップ低能児稼いでる、ラップ低能児respect受ける」という中毒的なサビなどが面白すぎて、Don Millsキャリア最高曲だとか、JUSTHISとDeepflowのビーフの最大受益者だなどと言われています。

 

  1. Kid Milli – WHY DO FUCKBOIS HANG OUT ON THE NET

Produced by 이수호(Lee Soo Ho)

https://itunes.apple.com/jp/album/why-do-fuckbois-hang-out-on-the-net/1358618057?i=1358618064 

韓国ヒップホップシーンに言葉通り彗星のように登場したKid Milliの初のスタジオアルバムは、ハウスサウンドを前面にしたプロダクションと、もっと多彩になったラップを詰めていて再び衝撃を与え、ヒップホップシーンの中心に堂々と入ってきました。この曲は、そのアルバムの実験的な色を代弁するような曲です。なぜKid Milliがフレッシュなのか、Just listen and feel(ドヤ2)。ちなみにこの方、ファッショニスタである同時にアニメ好きなオタクで、秋葉のメイドカフェで金をまくのが夢らしいです(彼の代表曲〈Honmono〉をチェック!)。

 

  1. Swings – Holy

Produced by 천재노창(Genius Nochang)

https://itunes.apple.com/jp/album/holy/1363950756?i=1363950810 

まさに韓国ヒップホップシーンのゲームチェンジャーだと言える、ベテランでありつつも常にイッシューを呼び起こす、強者ばかり集まった集団Just MusicとIndigo Musicの代表でもある、怪獣の称号が惜しくないラッパー、Swings。彼が出したアルバム自体の波及力もありましたが、それよりもこの一曲がもたらした論争は本当に激しく、それをもたらしたこと自体で、TOP3に入る資格があるでしょう。

18分もある大曲ですが、ラップは3分程度で収まって、ほかの15分はただただ彼が語るだけです(あえて言えば、Kanye Westの〈Last Call〉みたいな感じでしょうか)。ラップのヴァースでは、クリスチャンだった彼が神様に自分が苦しむことを述べながら、聖書についての疑問を直接問いながら(「地獄に送る理由一つであなたを信じたくはないさ」)、その神様が結果的に自分を助けることを求めます(「こんな僕の態度を疑うけど、息子はいつも問うもんだから。嘘つきだけが質問を避けるさ」「僕に才能を与えただろ、Jesus?あなたがいないからみんな追うのはYeezus」)。そして、論題は〈芸能人に対してのネット上で行われる魔女狩り〉に移ります。韓国内に存在する宗教人の多さや、それにもかかわらず互いの没理解が起こる理由について問い、そこで苦しむ自分を表して、イエスに助けを求めて終わります。

大衆に自分の考えを説破するナレーションの中、その主題については皆が共感するのですが、語られる際の論理が足りなかったり、学校内暴力事件の疑惑がある人を擁護したり(そのためのナレーションではありましたが)会社員を見下す姿勢などが批判されました。しかし、彼が投げた質問に、多くのリスナーが甲論乙駁を行うこと自体、彼の影響力を再び実感させることのできた、話題の一曲でした。

ちなみに、このビートは、彼のレーベルJust Musicのラッパー・プロデューサーである天才ノチャン(Genius Nochang)の名曲〈행(GOD)〉をサンプリングしたものです。ノチャンのプロダクションは常に高クオリティーで、彼にしか出せない独特なものがあり、その完成度とアヴァンギャルドさが高評価され、いつも期待を浴びるのですが、最近行方をくらましてしまったようで、みんなの心配を受けています。(この曲にも「ノチャンのために祈ってください」というナレーションがあります)天才ノチャン!戻ってきてください!!!

話が長すぎましたが、曲も長いんで、許してくださいね(ドヤ3)。

 

  1. JUSTHIS & Paloalto – Seoul Romance

Produced by GroovyRoom

https://itunes.apple.com/jp/album/seoul-romance/1356489565?i=1356489579 

上半期の一番の期待作といえば、やはり2016年衝撃的なデビューアルバム《2 MANY HOMES 4 1 KID》で登場した新鋭コンシャスラッパーJUSTHISと、常に淡白でよいバイブの音楽をしてきたベテランPaloaltoの合作アルバム《4 the Youth》だったでしょう。22トラックもあるアルバムの中で、〈Seoul Romance〉は、曲名が出す雰囲気とは真逆に、ソウルで暮らす二人が感じた人生の経験を述べながら、韓国社会の問題点を指摘するトラックです。その問題の捉え方が的確で、堅固なBoom Bapのプロダクション、そしてPaloaltoの重厚なラップとJUSTHISのいかれたラップの調和も素晴らしいです。韓国の知識人ユ・シミンの講演からのサンプリングもまた社会について考えさせます。「強盗に合った夢、生存本能だけか残ったソウル」「韓江の奇跡が浪漫を消したわが親の記憶の上に建ったピラミッド」

 

  1. 화지 (Hwaji) – 나 빼 (NAPPE / *Count Me Out)

Produced by Young Soul, O’NUT

https://itunes.apple.com/jp/album/%EB%82%98-%EB%B9%BC/1333422608?i=1333423312 

 

数年間続いた韓国ヒップホップシーンの最大論争は、「ヒップホップがマスメディアに侵食されているのか、それとも利用するべき機会なのか」についてです。日本の《フリースタイルダンジョン》のように、韓国でもラップ競演番組《Show Me The Money》が人気です。しかし、そのせいで大衆がヒップホップについてのステレオタイプなイメージを持ってしまい、その番組がパイの拡張より、ただ話題性の高い曲だけが売れる現象を作ってしまいました。そこでヒップホップシーンは「メディア擁護論」と「メディア批判論」で責め合ったり、常にメディアに批判的だったラッパーがいつの間にか言葉を変えてその番組に出るようなこともしばしば起きました。(そのような態度変換を批判した代表的な例が、リスト5番目に紹介したJUSTHISのディス曲です。)

自ら「現代ヒッピー」と名乗る、韓国トップレベルのリリシスト、Hwajiは、新しいEP《WASD》で、シーンをゲームに比喩して、ただ状況を楽しむ観照的な態度を取ります。「争う間に音楽をしろ」「俺はインディ、お前らはハンゲーム(大ゲーム企業)」「韓国ヒップホップに俺は抜け」という核心を突くサビが印象的です。そして、どれだけメッセージが詰まっても、説教的ではなく、むしろファンキーでレイバックされたグルーびーなビートのおかげで、本当にゲームをするように楽しみながら聞けます。結局どんな論理よりも、一番大事なのはやはりいい音楽を作ること。そして私たちはそのいい音楽を消費することが文化の発展につながるでしょう(最後のドヤっ)。

 

 

Honarable to Mention

Mild Beats – 불나방(ヒトリガ) (Feat. Chaboom)

https://itunes.apple.com/jp/album/%EB%B6%88%EB%82%98%EB%B0%A9-feat-chaboom/1400668495?i=1400668503

https://youtu.be/zLIXoyeyn-4

Swings – Keep Going (Feat. BewhY, nafla, ZICO)

https://itunes.apple.com/jp/album/keep-going-feat-bewhy-nafla-zico/1377599758?i=1377599911

 

 

Deepflow – 나다 이

 

Errday, Wet Boyz, ZENE THE ZILLA – GA ZU A

 

(ENG SUB 支援)

 

 

Futuristic Swaver – YABAI (Feat. Kaine Dot Co, TYOSiN, Moment Joon, Kor Kash, SKOLOR & Airplaneboy)

https://itunes.apple.com/jp/album/yabai-feat-tyosin-kaine-dot-co-moment-joon-kor-kash/1408536140?i=1408536152

(Short Ver.)

 

 

 

6月の新譜雑感

 

こんにちは、3男のアキモトです。先月に続き6月の新譜の個人的な感想を書きたいと思います。前回の反省も全く活かさず、相変わらずの他人に読ませる気があるとは到底思えないようなクソ長い駄文になるとは思いますが、流し見でもして頂けたら幸いです。それでは行ってみましょう。

 

God’s Favorite Customer – Father John Misty  

 7221

みんな大好きジョンお父さんの新作です。この人の安定感は凄まじいですよね。Fleet foxesを脱退して現名義になって以降、全作品しっかり高評価を獲得しています。もちろん今回のアルバムも高い期待を裏切らないものでした。とにかくもう一曲目から最高。割とシンプルなフォーク~弾き語りサウンドなのに底知れぬポップ性があって、本当に耳馴染みが良いんです。まじで天才。

 

 

Sorpresa Familia – Mourn 

 7222

 スペインのインディロックなんてHindsだけだと思っているそこの君!Mournを聴きなさい!!

 通算3作目目となる今作はかなり評判が良くて遂に覚醒した感がありますね。若者の衝動が詰まったようなエネルギッシュなロックンロール。終盤の少しエモい感じも最高です。あと、とにかくMVが本当に好きで、個人的にこういうDIYなのに弱いんですよね、、、

 

Irisiri – Earthearer 

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NY在住のAlexandra Drewichinによるソロプロジェクトの3作目。実験的なエレポップといった趣で個人的に凄くお気に入りな作品です。終始、めちゃ不穏な雰囲気なんですが、ただただ美しい。ファンタジー系のホラー映画のサントラに使われてそうな感じ。流行りのIDMの流れで聴いてみても面白いかもしれませんね。

 

 

Noonday Dream – BEN HOWARD 

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 傑作。ロンドンのフォークシンガーによる3rd。ダウナーでアンビエントなトラックとフォークサウンドの絡みが絶妙で神々しさすら感じます。キャッチーさとかとは無縁だけど、永遠に聴いていられるような深さがあるんですよね。個人的に今年のフジロックの裏メインです。霧雨とか降っていたら最高過ぎて泣いちゃう。

 

 

LUMP – LUMP 

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UKフォーク繋がりでもう一枚。Laura MarlingとMike Lindsayによる新プロジェクトLUMPの1stです。Laura Marlingに関しては説明不要ですよね!新世代のUKフォークの象徴とも言える存在であり、去年リリースされた新作も最高でした。Mike LindsayはUKの実力派フォークバンドtunngのメンバーで、今回のプロジェクトにおいては彼が作曲を担当しているようです。Mike Lindsayらしいエレクトロ、サイケを取り込んだフォークサウンドに、Laura Marlingの官能的な声が合わさって独自の世界観が形成されています。ぜひ上記のBEN HOWARDの新作と一緒に聴いて、現代のUKフォークを堪能してください!

 

 

Lush – Snail Mail 

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 神童なんて言われてたりして、かなり話題を集めていたSSWのデビュー作。これは聴いた人も多いんじゃないでしょうか?去年の暮れのPhoebe Bridgers やJurien Bakerに始まり、毎月のように話題作がリリースされていて、女性SSW戦国時代が訪れていますね。その反動もあってか、自分も含めて少し食傷気味の方も多いと思います。ただその中でも注目度で頭一つ抜けている感のあったSnail Mailだけあって、素晴らしい作品でした。なんかアルバムの構成も良いし、一つ一つ曲のクオリティーも高いし、もちろん歌声も素晴らしいし、オールAて感じのアルバムです。個人的にもうちょいクセが欲しい気がしますが、本当に良いアルバムなのは間違い無いのでぜひ聴いてみてね!

 

The Future and the Past – Natalie Prass 

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バージニア州出身のSSWによる2nd。こちらもかなりの話題作でした。もうとにかくグルーヴ!圧倒的グルーヴ感。無限に踊れそうです、、、そこに彼女のさらりとした歌声が加わって本当に気持ちいい。やっぱりこういうのがトレンドなんですかね。

 

Telltale Signs – Sobs 

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シンガポールのインディポップ・バンドによるデビュー作。東南アジアと言えば、先日来日していたPhum Viphuritや、Hip-popシーンで頭角を現しているRich Brianなど、今最も注目すべきシーンの一つだと思います。そんな東南アジアからまた一つ素晴らしいバンドが出現しました!サウンド的にはど直球なインディポップなので、一歩間違えれば埋もれてしまいそうですが、やっぱり良いバンドはこうして話題になりますよね。Alvvays(遂に遂に遂にやっとこさ来日決まったね!!)が好きな人とかは確実にハマると思います。

 

 

OIL OF EVERY PEARL’S UN-INSIDES – SOPHIE 

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IDM、ノイズの流行と呼応してメキメキと存在感を増している歌姫によるデビュー作。時期的にも先月のOPN旋風が少し落ち着いてきた頃合いでのリリースで完璧でしたね。そんなこともあってか、OPNの新作と比較される事も多いですが、OPNはあくまで根底はIDMでそこから(新作では)ポップに傾いているのに対して、彼女はあくまでポップがあってそこにノイズを載っけている気がします。それ故か、本作も中々のノイズなのに割と聴きやすいんですノイズとか苦手な人にも聴いて欲しい作品。

 

 

Hope Downs – Rolling Blackouts Coastal Fever

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最近、絶好調のSub Popがサインしたメルボルンのインディロック・バンドの1st。以前出したEPの評判が良かった事もあり、かなり楽しみにしていました。内容はとことん爽やかなギターロックで、再生ボタンを押した瞬間に夏の暑さが味方になってくれるようなアルバムです。こういう正統派なのもやっぱり良いですよね。

 

1, 2, Kung Fu – Boy Azooga 

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ウェールズのカンフー野郎ことBoys Azoogaのデビュー作。タイトルのインパクトもあってか、今月のUKインディロックシーンは彼らの話題で持ちきりでしたね。ロックンロールの格好良さと、グルーヴィーでダンサブルなお洒落サウンドのバランス感覚が素晴らしいです。3曲目の「Face Behind Her Cigarette」は個人的に好みで一時期狂ったようにヘビロテしてました。この曲だけでも聴いて欲しい、、、

 

 

Roach Going Down – Palberta

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 NYの3人組ガールズバンドによる4th。ここまで自分のツボを的確に突いてくるバンドがあるとは、、、Lo-fiなギターロックを奏でながらも、その音楽性はあくまで実験的で刺激に満ちています。こういうのNew waveとの対比でNo waveって言うらしいですね。ほとんど2分前後の曲で構成されていて、テンポが良いのもポイント。やっぱりNYはBattles(神)とか、最近だとAva Luna(夏に新譜出すらしいよ!!)とか、実験的なバンドの系譜があって最高過ぎません? 最高だね!!!

 

 

(04:30) Idler- Jamie Isaac 

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ロンドンの23歳による2nd。King KruleとかReijjie Snowとかとお友達らしく、やっぱりあの辺の新世代ブラックミュージック軍団はアツいですよね。ジャジーで少しエレクトロなビートがひんやりしていて心地いい。そして、彼の艶やかな声、、、至極のchill musicです、、今秋には来日も決まっています。

 

Bienaventuranza – Chancha Via Circuito  

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アルゼンチンの音楽プロデューサーによる4作目。現在進行形のエレクトロミュージックと南米はアンデスの民族音楽の融合。南米特有のリズム感が気持ちよくて自然と体が動き出しちゃいます。個人的にクンビアとかフォルクローレ辺りはdigをサボっていたところがあったんですが、これを聴いてめちゃ反省しました。頑張ります、、、

 

 

Ecstatic Arrow – Virginia Wing 

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ロンドンのサイケ~エレクトロ・ポップ・バンドの3rd。なかなか知名度が上がってこないバンドですが、高品質なサイケポップを安定供給してくれるのでフォローしといて損はないと思います。今作はジャケからも読み取れるようにスイスでレコーディングしたらしく、それも納得出来るような清々しく、気持ちいいサイケなサウンドでした。

 

 

Inner Symbols – Mo Kolours 

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モーリシャス共和国出身でロンドン在住の隠れた天才ビートメーカーの新作。ゆったりしたビートにアフロやらネオソウルやらダブステップやらがごちゃまぜになっていて独特の味が出ています。本人の素晴らしい歌声もビートの一部のなっているのが面白いです。これだけの要素を取り入れながら、全体としてしっかりと纏めてるのはさすがの一言に尽きますね。

 

Toss Up – Kevin Krauter 

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ここ2、3年のUSインディーにおける最重要バンドの一つであるHoopsのメンバーによるソロプロジェクトのデビュー作。HoopsでのLo-fiロックなサウンドが根底にありつつも、今作はより涼しげでチルいサウンドに仕上がっています。聴いているだけ夏の夜風に当たっているような気分になれる作品。

 

 

Distant Light – Tape waves 

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サウスカロライナ出身のベッドルームポップデュオの3rd。心地いいギターと儚げなボーカルで、全体的にメランコリックな雰囲気が漂う作品。今年の夏は暑すぎてこういうのを聴かないとやってられないです。なんとなんと今日(7/22)下北沢のBASEMENT BARで来日公演ですね。対バンもいい感じだし、テスト勉強の息抜きにどうでしょうか?

 

Big Red Machine – Big Red Machine 

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これ、あんまりプロモーションされてないせいか全然話題になっていませんが、Bon IverことJustin VernonとThe NationalのAaron Dessnerの二人によるプロジェクトの1stEPなんです。ヤバすぎませんか?二人とも間違いなく最近のシーンを引っ張っていると言える存在ですよね。なんかもう、曲を聴いた瞬間に分かる明らかな質の高さが凄い。もちろんJustin Vernonの美しい歌声もあって、凄まじく快楽的な作品に仕上がっています。今夏中にはアルバムも出すらしい。マジでヤバイよね。下のリンクからまとめて聴けます。

https://beta.p-e-o-p-l-e.com/album/big-red-machine

 

 

Make My Bed – King Princess 

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LAを拠点にする19歳の1stEP。ここ最近、Dua Lipaに続けとばかりに沢山の新星が現れてる女性ポップスシーンですが、その中でも勢いと才能を感じる1人なのがこのKing Princessです。彼女の1番の魅力はその深みのある歌声でしょう。自分は本作にも収録されている「1950」の歌い出しに完全にヤられました。そしてその歌声を引き立てるR&Bチックなゆったりとしたトラックも素晴らしいです。今後に期待ですね。同世代だとCYNとかG Flipも各方面で絶賛されているので是非。

 

 

はい、やっと終わりました。疲れた、、、

6月はカニエの月でしたね。面倒くさいから書かないけど全作さすがのクオリティーでした。

そして、今月はフジロックが控えています。僕も3日通しで行くので行く人は乾杯しようね!

5月の新譜雑感

  こんにちは、3男のアキモトです。今回は最近聞いたモノの中で気になった何枚かをディスクレビューしてみました。一応、5月にリリースされた比較的新しい音源に絞っているつもりです。レビューというよりは単なる個人的な感想になりそうなので変なこと言ってても見逃してね。それでは行ってみましょう。

 

Loveis Dead – CHVRCHES

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 相変わらずローレンがめちゃカワなCHVRCHESの3rdです。1stと比べると少しポップな要素が増えた気がしますが、全体的にまとまりがあって聴きやすいアルバムでした。

それにしても、CHVRCHESって単なるエレポップに見えて、しっかりとしたオリジナリティがありますよね。それが音作りからのものなのか、ローレルのボーカルからなのかはよく分かりませんが、こういうアーティストは強いよなと思います。

 

 

LoveLaws – TT

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 TTはLAのガールズバンドであるWarpaintのTheresa Wayman(Vo/Gt)のソロプロジェクト。Warpaintといえば、先日ハリー・スタイルズの来日公演にてOAとして来日していました(訳がわからないですね、ファン層1ミリも被ってないだろ) 。内容はbpm低めのゆったりとしたビートに気怠げな歌声とシンセが絡み合って、本当に気持ちいいアルバムでした。バンドとしての次回作も楽しみですね!

 

 

 

Age of – Oneohtrix Point Never

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遂に来ました!個人的にいや世界で今一番アツいかもしれないアーティストことOneohtrix Point Neverの新作です。世間の評価を見てると割と賛否両論のようですが、ポップな路線を打ち出したアーティストが批判されるのは世の常でしょう、、、それにポップな路線といってもあくまで「彼にしては」という話であって、特に後半では彼らしい前衛的なトラックもあり、非常に聞き応えのあるアルバムでした。

 

 

isaac gracie – isaac gracie

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 ロンドン出身のシンガーソングライターであるisaac gracieの1stアルバム。Lo-fiなアコースティックサウンドと共に情緒たっぷりに歌い上げる姿が心に刺さります。やっぱり、こういうシンプルな弾き語り系のアーティストは定期的に聴きたくなりますよね、、、本当に元気が出る一枚です。

 

 

Light is Liquid – Örvar Smárason

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 múm、FMBelfastというアイスランドを代表するバンドの一員として活躍しているÖrvar Smárasonのソロでのデビュー作です。まぁ、彼が所属するバンドのヤバさからしてデビュー作にかかる期待の大きさもかなりのモノだった訳ですが、その期待にしっかり応えてくれました。アイスランドらしい神秘性や雄大さをしっかり表現しつつ、ポップに纏めてきた印象です。個人的にここ最近では一番のお気に入り。

 

 

Deafman Glance – Ryley Walker

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シカゴ出身のシンガーソングライターの5作目。このアルバムは凄いです、、、作品を通して何処と無くジャジーでアンビエントな雰囲気を感じるんですが、基盤はあくまでもフォークなんですよね。そのおかげか耳にスッと入ってきて気付いたら聴き終わっています。しかも、これでまだ20代の若者、、末恐ろしいです。

 

 

Cannonball! – Sen Morimoto

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こちらはシカゴ在住で京都出身の日本人、SenMorimotoの2ndアルバム。先行シングルの時点でかなり騒がれていまたが、遂にリリースされましたね!中身はジャジーなHip-popという雰囲気ですが、複雑なビートのせいかエクスペリメンタルな趣もありクセになる作品です。しかも、これ全部自分で演奏しているらしいですね、凄すぎ、、、Nonameとかシカゴの凄い人たちとも交流があるらしいので是非コラボして欲しいです。

 

 

Pusha T – DAYTONA

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さて6月1日現在、Drakeとバッチバチのビーフを繰り広げており(炎上商法ぽいよね)、勝利目前であるPusha Tの新作です。個人的にTrapが食傷気味なこともあり、このアルバムはとても楽しく聴けました。今月のHip-popで言うとPrayboi carti「Die Lit」も評判が良いようですが、僕は断然こっち派です。それにしても、本作のプロデューサーであるカニエウエストは絶好調ですね。最近ずいぶんと世間を賑わせていますが、本人のアルバムも明日(6/2)リリースみたいだし、その翌週はKids See Ghostだし(ヤバすぎる)、この後には何と言ってもNasの新作のプロデュースも控えています。今年は色々な意味でカニエの年になりそう、、、

 

 

Letters of Irrelevance – Patrick Paige II

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 The Internetのベーシストによるソロデビュー作。そりゃもう聴くしかないでしょう!メロウなトラックに自然と身体だ動き出してしまいます。そして、当然ながらベースがめちゃカッコいい。The Internet の新譜も夏にリリースされることですし、予習も兼ねて必聴です!!

 

 

 JE SUIS UNE ÎLE – Halo Maud

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フランスのシンガーソングライターによるデビュー作。どこか懐かしいドリームポップでぼーっと聴くのに最適です。そして何より歌声がビョークにめちゃ似ているんですよね、、ずるい、、、

この人よくよく調べてみると、この前復活を遂げたMelody’s Echo Chamberのバンドメンバーらしく、どうりでこんなに完成されている訳ですね。あと、ドリームポップとフランス語の語感の相性って素晴らしいと思いませんか?最強過ぎる、、、

 

7 – Beach House

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今年に入ってGeowulf にNight Flowersと注目の新鋭によるリリースが続いていたドリームポップに、遂に真打ち登場です!!シックな世界観の中でシューゲイザーの轟音と共にどこまでも高く舞い上がっていくような感覚に襲われます。ドリームポップを普段聴かない人にも是非聴いて欲しい一枚です。

余談ですが、Geowulfは最高だったのに対してNight Flowersは個人的に全然ハマらなかったんですよね、、、皆さんの意見も気になります。

 

 

 

Ancient Lights – Uniting Of Opposites

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最近の流行りであるサウスロンドンのジャズシーンから一枚。色々調べてみたら難しい言葉が沢山出てきて訳がわからなかったので、単純に言うとインド音楽とジャズの融合です。一応、エスニックジャズって言うんですかね?ジャズといえばジャズなんですが、聴き進めていくうちにかなりオリエンタルな雰囲気が感じ取れてきて、気づいたら摩訶不思議な世界に迷い込んでます。

同じ頃にリリースされたEzra Collectiveのキーボード、Joe Armon-Jonesのデビュー作も最高だったし、素人目に見ても確かにUKジャズシーンは勢いがあるような気がしますよね。エレクトロとかHip-popなど多方面からの影響を積極的に取り入れていて誰にでも聴きやすいからかなと思います。

 

 

Missed Connections – High Sunn

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サンフランシスコの18歳、Justin Cheromiahによるプロジェクトの1st。やっぱり、初夏の日差しを浴びながら聴くインディポップは無敵です。まだ知名度は低いかもしませんが、これからのインディポップ界を引っ張っていくであろう逸材ですね。boy pablo とかpeach pit が好きな人は必聴です!

インディポップでいえば同じく今月リリースのholy nowのデビュー作も見事でした。Alvvays 好きは絶対聴いた方がいいです。

 

 

Tell Me How You Really Feel – Courtney Barnett

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最高。去年はKurt Vileとのデュエット作で話題をさらったCourtney Barnettが、今年は待望のの2ndを携えて登場です。いい意味で予想を全く裏切らない、リスナーが彼女の新作に求めていたモノのド真ん中を打ち抜いてきましたね。これぞインディロックだ!!

個人的に彼女は今一番ハズさないアーティストの一人だと思います。左利きのギターと独自の世界観を持ったユーモラスな歌詞。早く再来日を実現させて欲しいです。

 

 

 

Villa Tereze – 王舟& BIOMAN

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これ、そんなにしっかり聴いた訳じゃないんですがめっちゃ良い!!一応、ジャンルとしてはエレクトロなのでしょうか?けど、生音で構成されていて本当に心地良いんです、、、これ嫌いな人はいないんじゃないかって気がします。通学途中とか寝る前とか、ふとした瞬間に聴きたくなるような素敵な作品です

 

 

Beyondless – Iceage

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デンマークのポストパンクバンドの新作です。先日、来日公演も行ってましたね。本作はPitchfork にて「Beyondless sparkles like a champagne bottle smashed in slow motion.」と表現されていたんですが、これ本当に秀逸だと思いません?作品を通して色気と衝動が渦巻いていて、段々と美しくも儚い情景が見えてくるような気がします。Sky Ferreiraの参加もこの作品の世界観に合っていて面白いですよね。バンドとして成熟の時を迎えているのが伝わってきます。来日公演行きたかったな、、、

 

 

Sink- Sudan Archives

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23歳のヴァイオリニスト/ボーカリストによる2ndEP。実験的なビートにアフリカのリズムが組み込まれていて、聴いた瞬間、虜になってしまうような中毒性があります。そこに彼女の素晴らしい歌声が加わる訳で、、、もうまじでヤバいんです、ヤバい。現在製作中らしいアルバムがリリースされた時には世界中にその名が知られることになるでしょう。ヤバすぎる。

 

 

Sugar & Spice – Hachie

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オーストラリアのインディポップバンドBabaganoujのメンバーによるデビューEP。Babaganoujは去年来日して、皆さんお馴染みのLuby Sparks等と対バンしてました。バンドはど直球なギターポップて感じですが、ソロではドリームポップ要素が加わってAlvvays っぽい雰囲気。サウンドも歌声も甘ったるくて、Babaganoujにもある、良い意味での「ダサさ」みたいなのも引き継いでいます。こういう「ダサさ」を持っているバンドって割と貴重で、Hindsの1stなんかもそうですが、等身大な感じがして元気を貰えるんですよね。なかなか手放せない一枚になりそうです。

 

 

Stereo – Omar Apollo

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インディアナ出身のシンガーソングライターによる1stEP。R&Bの影響を感じるインディポップですが、一曲一曲で雰囲気が違っていて、聴いていて楽しい先品です。

彼のようなアーティストは最近「Newwave of DIY」なんて呼ばれたりして、ここ最近の勢いがある界隈の一つですよね。代表するアーティストとしてはRex Orange Country とかFrankie Cosmosとかが挙げられます。みんな好きでしょ!!要はDIYbedroompop なんですが、主要なアーティストが僕たちと同世代なこともあり、身近な気がしてついつい聴いてしまいます、、、 要注目です!

 

 

Big Fan of the Sesh, Vol.1 – Biig Piig

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アイルランド出身の20歳、Jess Smyth によるプロジェクトの1stEP。去年ドロップされたシングル達がハズレなしだったので、個人的に待望のリリースでした。ジャンルとしてはLo-fi bedroom hip-pop~R&Bて感じでしょうか。ありそうでなかった感じです。まぁ、聴いてみてください。先程、「New wave of DIY」について少し書きましたが、そこにジャジーな雰囲気を加えたような彼女のサウンドは、非常に「今」っぽくて面白いですよね。ここ最近、飛ぶ鳥を落とす勢いのレーベル、BlueFlowersの顔であるPuma blueなんかとの絡みもあるらしいし、うまくその辺の波に乗れれば一気にブレイクする可能性も秘めているでしょう。

 

 

はい、これでおしまいです。いやー、自分でも思ってたよりかなり長くなってしまいました。ここまで読んだ人なんてほぼ居ないでしょうが、読んでくれた方はここまで長々と下手くそな文章を読んでさぞかし疲れたことでしょう。お疲れまでした。

 たった今アクモンやらParquet Courtsやらを書き忘れた事に気付きましたが、ググればレビューなんて幾らでも出てくるだろうし良しとしましょう、、、

 さて6月も初っ端からヤバい作品がリリースされまくってますね。これを書いてて全然聴けてないのでめちゃ楽しみだ!!ではさよなら!!

 

【ライブレポ】くまロック vol.21

 

2018年5月22日、

長くなった日が少しずつ落ちる夕暮れ

 

雑踏のセンター街をくぐり抜けた先、

渋谷チェルシーホテル にて

 

『くまロック vol.21』

 

 

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「どうも、ペトリコールズです」

声と楽器が鳴った。スポットライトが眩しくて私は目を閉じた。くまロックvol.21の幕開けだ。

爽やかなギターのリフと男女ツインボーカルが特徴的な彼ら。足取り軽やかながらも強く、トップバッターとしてイベントを引っ張ってくれるような、そんな気がした。

 

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なんといってもVo.Gt.のサカモトコウタの、オーディエンスを巻き込んで置いてかない声掛けが、絶妙に良い。気づけばみんな笑顔になってしまう。

MCから、それまでとは違った表情を魅せる曲『ターミナル』へ。キーボードの醸し出す独特の雰囲気と、リズムを裏拍で取るような横揺れ感。MVにもなっているこの曲は、映像作品としても私は好きだ。これからペトリコールズを聴く人の、きっかけのひとつになりそうだ。

最高の音で、イベントスタートだ。

 

 

 

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ステージが始まった途端、会場の空気がその独特な世界感に包まれる。まるで夢の中にいるような感覚に。神秘的で幻想的、思わず惹き込まれてしまう美しさがGrace Cathedral Parkにはある。

それぞれの楽器から奏でられる音がお互いを引き立て合いながら混じり合う…そこにヴォーカルの透き通った歌声が入ることでずっと聴いていたくなるような心地良さが生まれている。ドラムレスバンドならではの良さが溢れる演奏だった。

醸し出される雰囲気、音の調和、メロディー、リズム、すべてがまとまって多くの人を魅了する、本当に素敵な空間が作られていた。

 

 

 

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続いて登場したのは、本イベントでは唯一のスリーピースバンド、さよならさんかく。

特に印象的だったのは、ギターボーカルの透き通った可愛らしい声だ。
そこに、落ち着きながらもどこか情熱を感じるベース、ドラムが絶妙に重なって、心にじんわりと響いた。

バンド全体がゆるっとした雰囲気で、ライブを観ていても穏やかな気持ちになった。

音源ももちろん良いが、ライブでしか感じることのできない雰囲気がとても良い。

CDもリリースするなど精力的に活動中の彼ら。今後の活躍に注目だ。

 

 

 

 

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都内で活動中の四人組バンド、montblancz。

ドリームポップやシューゲイザーに影響をうけた、幻想的で浮遊感があるサウンドが特徴だ。

癖のない空気に馴染んでいくような伸びのあるボーカルと確かな演奏力のあるバンドサウンドがとても印象的で、思わず目を瞑って空想にふけりたくなるような音楽だな、と感じた。

私はシューゲイザーは普段そこまで聞かず、正直いうと単調な曲が多いのではないかという偏見のようなものがあったが、montblanczは曲の構成がシンプルながらもしっかりしているからか飽きることなく聞くことができた。

曲の後半で照明が夜明けのように明るくなってギターが掻き鳴らされていくのをきいた時に、鳥肌がたった。開放感がたまらなく良くて、聞けてよかった!と感じた。

陶酔感のある音を浴びたいって時にぴったりなmontblancz、とってもおススメです。

 

 

 


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初期のエレファントカシマシや竹原ピストルズを彷彿とさせるような力強いヴォーカルと陽気でキャッチーなメロディー。そして自然に体が踊りだすような雰囲気。

マイティマウンテンズだ。

彼らよりも前に演奏したバンドはどちらかというとエモい感じの曲が多かったこともあって、マイティマウンテンズのもつエネルギッシュさを今日は特に強く感じた。

音源にもなっている、『なっちゃう』のギターが鳴る。不思議と”踊りたくなっちゃう”雰囲気に会場が包まれ、そんな熱量に引き込まれるようにして、前へ前へ、と人が集まっていく。

 

いよいよイベントも終盤戦だ。

 

 

 

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今回のくまロックのトリを務めてくれたのは、the Still。

どの曲もメロディーラインが美しく、男性ヴォーカルがキーボードを奏でる4ピースバンド。曲の持つ感情に引き込まれるような澄んだ歌声はどこか切なく、細い線のようにまっすぐ耳に届いた。

そして、そこに繊細さを持ち合わせたギターのサウンド、跳ねるようなベース、安心感のあるドラムが重なり、the Stillの音として会場を惹きつけていた。
また、当日販売していたEPは、ダウンロードコードにポストカードのような歌詞カードをセットにしているというこだわり。

Apple Musicでも聴くことができるので、ぜひチェックしてもらいたい作品です!

 

 

 

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20回目という節目だった前回から約1年。

今の早稲田には、次々と新たな音楽が台頭し、その熱を高めている。

 

 

くまロックビラ(最終版・文字グレー)-01

 

 

『くまロックvol.21』

 

ここに出演していたアーティストは、いつかの貴方にとって最高の音楽家になっているかもしれない。

彼らの”今”を、どうか見逃さないで、聴き逃さないでほしい。

 

 

美味しいお酒と空っぽになったタッパーを抱えた、帰り道の道玄坂で、私の体はどこかワクワクしていた。

 

 

 

カネコアヤノ『祝祭』

 こんにちは、3年のりょうけいです。かなり遅れましたが、今年4月末にリリースされたカネコアヤノさんの最新作『祝祭』についてです。ここ1ヶ月ずーっと聴いていたので、思ったこと・感じたことを勝手に書きます。。

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 まずこの作品を聴いていて印象的なのが、カネコアヤノのポジティヴな力強さです。それは彼女の精力的なライブ活動にも、すごいペースで作品を発表する活発な作曲活動にもよく表れていると思う。忙しく過ぎる日々のなかで、いろいろなことを「大丈夫」「なんとかなるさ」と優しく受けとめつつ、とりあえず前に進んでみようよ、と語りかけてくるよう。。彼女にとっては、どこにいても、常にそこがスタート地点なのかもしれない。

 

 歌詞に登場する日々の漠然とした不安とか、悲しみ、怒りといった感情には、かならず「でも」という姿勢が続いている。もちろん悲しいとか、そういった感情も大切だけど。でも、悲しみをそのままにしておかない、という世界観です。それは絶対に救われるはず、そうでなくちゃ、という強いポジティヴな感情が、伝わってきます。マイペースでふわふわしているようなイメージがありますが、その言葉にはすごく力がある。

 

 加えて、そういったポジティヴさがありつつも、その理由・根拠はどこにも明示されません。聴くひとがそれぞれに、悲しみとか、不安と向き合いながら、カネコの詩的な世界に巻き込まれ、「それでも、大丈夫と言える理由」を考える。そうこうしているうちに、みんな何か拠り所のようなものを見つけて、いつか前を向けるようになる。あくまでカネコアヤノというアーティストは、僕たちの「拠り所」それ自体になろうとしているのではなくて、僕たちの横で飄々と歌っていて、背中を押してくれているだけのような気もする。

 

どうかそのまま

サンセットビーチの眩しさよ

夏が終わる頃には全部がよくなる(「サマーバケーション」)

 

 

 「恋しい日々」には日々の心地よい疾走感を感じます。ライブでは定番の名曲。夏の暑い日に「冷たいレモンと炭酸のやつ買った」って、軽やかに歌う。淡々と過ぎてゆく日々のなかで、「わたしたち」は一瞬で消える花火のような存在だ、というすごく俯瞰した視線。もう一方で、雨が降るから洗濯物をいれなくちゃ、とか、読んでない漫画、読まなくちゃとか、もっと身近に迫ってくる毎日をバタバタとしながらも楽しんでいる、ひとりの人間の視線。このふたつの視線の交錯が、なんだか切なくも愛おしい一曲。

 

 「序章」は以前シングルとしてカセットでもリリースされています。イントロのギター、深くて厚い音がたまらんです。あとはテンポの崩しが最高です。特に弾き語りで顕著なのですが、カネコアヤノのライブの醍醐味といえば、自在に動き回るテンポ。軽快なリズムに乗っていたはずの歌詞が、ところどころで伸び縮みをして、その場限りの遠近感を持って現れる。そういう予想の出来ない揺らぎみたいなものが、すごく気持ちいいんです。なんだかそういうライブ感を想起させる曲です。

 

 アルバム終盤の「グレープフルーツ」。前作『群れたち』では弾き語りバージョンが聴けます。今回はバンドアレンジ。砂糖の甘さとグレープフルーツの苦さ、共感と孤独感、好きだという気持ちと、ひとりになりたいという気持ち、日々の出会いと別れ。混じり合わない二つのことがら、感情が、陽が差す「昼過ぎの各駅停車」の中では、優しく共存しています。

これは初期のMV

 

 「アーケード」は、待ってました!なロックナンバー。メロディーが超秀逸で、みんなで歌いたくなるような曲。ライブだと、カネコが感情の昂ぶりに合わせて、そんなメロディーも関係なしに歌い上げる姿が本当にかっこいい。浮かび上がってくる情景は、平日の昼間から遊んでいる若いふたり組。自由を謳歌する若者の解放感、といったら言い過ぎかもしれない。付き合ってるかそうでないんだかわからない、曖昧な関係、何でもない日だけど、プレゼントの交換でもしようよ、という、おおらかな歌詞。僕はバイト行きたくね〜ってときに聴きます。

 

 アルバムの最後を飾るのが「祝日」。ラブソング、なんて陳腐な言葉では表しきれない。みんなには内緒の関係になった「あなたとわたし」についての歌ではあるけれど、決して甘い恋愛について歌っているわけではない。若気の至りなんだか、よくわかんないけど好きだ、という気持ちについての歌と思っています。相手に飽きることがあるかもしれない、でもそんなの今はどうでもいいことじゃないか、という。自分の感じたままを肯定して、いい意味で考えすぎない、案外ふわりとした見方を感じます。

 

 最後に、カネコアヤノ作品のテーマについて。「日常」といってもいいかもしれないのだけど、それだとちょっと違う気がする。常にやってくるとは限らない、当たり前ではない毎日です。ああ、今日も無事に朝がやってきた、よかった。と安心して出てくるため息。そういうのを感じます。

 

 カネコアヤノの目に映る日々のあれこれは、すべてがきらめいている。僕たちが忘れてしまいがちなきらめきです。それは起きてみたら太陽が燦々と輝いていることであったり、「幸せだよ」と大切な人に伝えられることであったり、昨日またねと別れた誰かに、今日も会えたことであったりする。当たり前に思われることも、実はそうじゃなくて、奇跡なんだよ、素晴らしいことなんだよ、と伝えている。僕たちはそんなあれこれに囲まれて日々生きている。そうやってきらめく毎日こそが「祝祭」なんだと思います。

 

クローゼットの中で 一番気に入っているワンピース着ていくね

帰るころには 朝焼けでも見ようよ

大切なのは君との明日

明日会えるね それだけで嬉しいよ

大切なのは明るい明日だ (「エメラルド」)